はじめに

日本人ならば誰もが知っている時代劇というものをテーマに捉えたロールプレイングゲームは、今までそんなに沢山出版されていませんでしたが、なかなかどうしてそれは極めて魅力的なものでしょう。
これから皆様に紹介するロールプレイングゲームは、まさにこの時代劇、時代小説などを題材に操るためのゲームにほかならないのです。

イ【配役の決定】

 ゲームを始めるに当たって、先ずは各ブレイヤーの演じるキャラクターを決めなければなりません。
キャラクターを決めるに当たって最も簡単な方法は、既製キャラクターを用いる方法です 既製キャラクターには二種類がありまして、一つは、この後のルールで紹介するアーキタイプと呼ばれるものです。
 もう一つは、各シナリオに用意されたプレロールド・キャラクターです。
アーキタイプは、基本的な能力や装備が決定されているのでこれに加えてキャラクターの性格や背景などを決定すればゲームに登場させることができるようになります。
 プレロールド・キャラクターは、背景や社会的地位、更には名前や年齢まで決定されていますので、すぐにゲームをすることができます。
 またこれらの既製キャラクターを使うに当たってはゲームマスターと相談の上で、多少の変更をこれらに加えてもよいでしょう。
 さて既製キャラクターを使わないのならば、キャラクターを創っていかなければなりません その手順を続いて説明していきましょう。

イ-1役作り点

 このゲームではキャラクターを創るのにサイコロは使いません。その代わり役作り点という点数を使います。
この役作り点を さながら お金のように消費していきながら様々な能力や技能を買い物していくのです。
 役作り点を消費して買い物しなくてはならない物は以下のものです。

  • 能力値
  • 技能
  • 流派
  • 役格

 さて それでは自分のキャラクターを創るのにどれぐらいの役作り点が使えるでしょうか?
それはプレイヤーの皆さんの人数と話し合いで決まります。
 このゲームではプレイヤーの皆さんの全員に対して、まとめたかたちで役作り点が与えられます。与えられた点数を皆さんで話し合って自由に分けてキャラクターを作ります。
プレイヤー全員で何点の役作り点が貰えるかは役作り点表に記載されています。
 この数字は標準的なゲームを行うのに適当と思われるものですが、ゲームマスターとプレイヤーの皆さんで相談して、増やしたり減らしても別に構いません。

役作り点表
人数役作り点配役の例
1人350点主役一人
2人600点主役1人、準主役1人
3人850点主役1人、準主役2人
4人1100点主役2人、準主役1人、脇役1人
5人1250点主役2人、準主役1人、脇役2人
6人1400点主役2人、準主役1人、脇役3人
以降、1人増えるごとに、100点が加算されます。

イ-2役格

 このゲームのキャラクターはプレイヤーキャラクターにしろノンプレイヤーキャラクターにしろ役格というものを持っています。
 これは他のゲームのキャラクターレベルのようなものですが、数字で表すのでなく、主役準主役脇役の三種類に分けられます。
 この役格はキャラクターの相対的な強さを表すのですが他のゲームのキャラクターレベルのように弱いところから始まって徐々に成長し、やがて主役になるというものではありません。 ゲーム開始時から主役のキャラクターは主役ですし、脇役のキャラクターは あくまでも脇役なのです。

 さて、この役格はどのようにして決めるのでしょうか?それは先に述べましたように役作り点による買い物方式です。 役格を買うために必要な役作り点は、役格表に記載されています通りに、脇役 0点、準主役 50点、主役 100点です。 つまり、役格買うのに役作り点を消費しなかったならば、そのキャラクターは脇役になるのです。各プレイヤーが担当する役格はあらかじめ役作り点を全員で分配する時に相談して決めておいたほうがいいてしょう。

ところで役格が違うというのはゲーム上でどの様に影響するのでしょうか?それは後に説明する活劇点の量と使用法、使用制限に影響します。  また戦闘のアクションシーンになった時の行動順序にも影響しますが、これらの具体的な説明は後の各項で行います。  とにかく同じ能力のキャラクター同士ならば 役格の上の方がかなり強力です。 なお役作り点分配の参考までに、それぞれの役格のキャラクターは、通常、次のような役作り点で創られます。
 主役 350点、準主役 250点、脇役 150点  ( この中には役格を買うための役作り点も含まれています ) 。

役格表
役格役作り点活劇点累積限度/獲得/使用限度
脇役0点5/6ゾロ/2
準主役50点7/6ゾロ/3
主役100点10/5ゾロ、6ゾロ/4

イ-3能力値の決定

   すべてのキャラクターは固有の肉体的あるいは精神的特徴を3つの数字で表します。
 この数字を能力値と呼びます。そしてこの能力値も役作り点を消費して買わなければなりません。プレイヤーキャラクターの能力値は、最低が4で最高が10です。

 また各能力値の意味は次のようなものです。

  • 「心 」 知性や精神力を表します。
  • 「技 」 機敏さや器用さを表します。
  • 「体 」 体格や筋力、持久力を表します。

 各能力値を獲得するために必要な役作り点は、能力値・技能度決定表に記載されています。

能力値・技能レベル決定表
能力値役作り点技能レベル役作り点
40点12点
512点26点
627点312点
744点420点
864点530点
986点642点
10111点756点

イ-4技能の決定

 役格と能力値が決まったならば次は技能を決めます。技能は技能一覧表から自由に選択して構いません。
それに必要な役作り点は、能力値・技能レベル決定表に示されています。
なお、注意していただきたいのですが、この段階で決定される技能は技能レベルと呼ばれる数値です。実際にゲームを始めたら、この数値に基本となる能力値を加えた技能実効値を用います。
 この時に用いる能力値は技能一覧表に記載されてる基本能力値を使います。
ですから、たとえ技能レベルが低くても基本能力値が高ければその技能の成功率は高くなりますし、逆に技能レベルが高ければ能力値が低くても大丈夫です。
 一般に高い技能レベルは多くの経験や厳しい修行の結果を表しますし、高い能力値は生まれながらの天与の才を表しているのです。

技能一覧表
技能名能力値技能名能力値技能名能力値
剣術隠密武家社会
弓術運動江戸町
槍術知覚裏社会
薙刀術走行弁舌
棒術錠前破り賭博
手裏剣術スリ読書き
鉄砲術偽証算術
拳法泳術医術
柔術馬術蘭学
忍具手投げ職人技能様々
体さばき芸能技能様々

イ-5 耐久点の決定

 各キャラクターは基本的に「体」の能力値と同じだけの耐久点を持っています。
また余分に5点の役作り点を消費することによって耐久点を1点増やすことができます。 これによって増やすことのできる耐久点は「体」の能力値までです。
つまり最初の耐久点と合わせて「体」の能力値の2倍までが限界ということです。
 キャラクターはゲームの途上で様々な困難から負傷を受けたり、病気にかかったりするでしょう。そのとき受けたダメージは全てこの耐久点から差し引かれていきます。
 そして耐久点が0になったならばキャラクターは死亡します。
 なおゲーム中に耐久点による判定が必要になった時には特別に指示がない限り、この減少した耐久点を用いて判定します。
また耐久点の判定は常に能力値による判定として扱いますので後述の通りサイコロは、三つ振ることができます。

イ-6 流派の習得

 さて時代劇といえばサムライが登場するわけですが、その中でも主人公たちは、大抵一人前の剣士です。
 そこで「八百八町浮世草子」では、流派のルールを定めて一流の剣客達を演じやすくしてあります。
 技能一覧表に記載されてる技能の内、始めの九つは武芸技能と呼び、これらの技能のどれかの技能レベルが4以上ならば、そのキャラクターは流派を名乗ることができます。  流派には既製流派と我流があり、やはり習得するためには規定の役作り点の消費が必要です。  流派の特徴や詳しい内容は後に該当項目で説明します。有名な剣術の既製流派を名乗るために必要な役作り点は、有名剣術流派表に記載されています。また自分独自の流派や、実在した既製流派以外の流派を望むのなら我流特典表に示されている役作り点を消費して我流特典表を編めばよいでょう。
 各キャラクターが独自に編んだ我流に関しては、プレイヤーが自由に命名してもかまいません。また、有名剣術流派表にない実在した流派を習得には、ゲームマスターと相談して行うのが良いでしょう。

有名剣術流派
流派名役作り点
鹿島新当流20点
薩摩示現流30点
小野派一刀流30点
柳生新陰流40点
林崎夢想流20点
二天一流50点


我流特典表
役作り点戦闘時の特典
-10点自身で受けを行う場合、難易度が2大きくなる。
5点打撃力が常に1大きくなる
10点居あい抜き。抜刀していなくとも直ぐに攻撃を行える。
10点各戦闘ラウンドの初太刀のみ打撃力が2倍になる。
15点各戦闘ラウンドの初太刀のみ打撃力が3倍になる。
15点打撃判定のサイの目が3または6のときに致命的命中となる。
15点自身の行う攻撃の難易度が2下がる。
15点自身の行う受けの難易度が2下がる。
15点相手の行う受け、または体さばきの難易度が2上がる。
15点たとえ攻撃を受けられても打撃を出し、相手の体の能力値を上回った分だけ負傷させる。
15点たとえ攻撃を受けられても打撃を出し、致命的命中になれば受けた武器を破壊する。

イ-7 姓名、身分、持ち物、所持金

 ここまで来ればキャラクターの数量的な能力は決まってしまいました。 続いて文化的な背景を決めなければなりません。 実際にゲームの行方を左右するのは、この部分であることも多いですから、気を抜かずに決めていきましょう。
 まず姓名ですが、江戸時代に性を名乗れたのは、ご存知のごとく特権階級たる武士や貴族だけでした。
先ずは そのことを念頭に置いて名前は決めなければなりません。また高位の武士たちは、朝廷から与えられる役職で呼ばれることもありました。
 武士は一生のうちに何度か名前を変えることがよくありました。幼名が与えられた元服の後に改名し、更に仏門に入って法名を得る場合などがありました。 武士の名前の一例としては、「立花宗茂・本田平八郎・武田信玄・松平上総介」などがあります。
 この場合、平八郎というのは幼名、信玄というのは法名、上総介というのは役職名に当たるわけです。  また商人や職人は、その住まいの地名や店舗の名前などから姓の代わりに屋号を名乗ることも多かったようです。
「越後屋藤兵衛・陣兵衛長屋の三吉」などです。 一般の農民や賊民は、ただ名前だけの場合がほとんどでした。また博徒や盗賊たちは二つの名を持っている場合がよくありました。 「霞の長五郎・雨だれの捨蔵」などが その例です。身分については先の説明からも解かりますように名前を付ける段ではすでに決まっていなければなりません。 キャラクターイメージを創る初期の段階で既に決めておくべきでしょう。
特に習得しておく技能との関係も深いですから、ゲームマスターや他のプレイヤーと、よく相談して決めておくべきでしょう。  キャラクターの身分によって行うべきシナリオも変わってくるので注意が必要です。

 キャラクターの持物に関しては特にルールに定めることはしません。
やはりゲームマスターとプレイヤーで相談して決めてください。ただ時代劇というものは一般に数々の特殊装備を次々に繰り出して事件を解決していくというような代物ではありませんから、もし貴方がゲームマスタなら余りにに沢山の特殊装備は ブレイヤーがよほどそれを所持している理由を うまく説明できない以上は、許可するべきではないでしょう。
 また、たとえ説明できたとしてもそれがあまりにシナリオにそぐわないものならば、許可してはいけません。

 所持金に関しても基本的には相談して決定して頂いて結構ですがもしランダム決定されるならば以下のようにすれば良いでしょう。

キャラクターが普通の町人、もしくは浪人の場合は、サイコロを一つ振りも出た目に百文を掛けあわせます。

下級武士の場合、サイコロを二つ振って出目に百文を掛けあわせます。
大店の商人や旗本の場合、サイコロを一つ振っただけの小判を持っていることにします。
決定された所持金というのは、キャラクターの全財産というのではなく、普段身につけて持ち歩いている金額です。  ですから、先の所持品の決定時に持っていることにしたものをこの所持金で買わなければならないわけではありません。

〓ここまででキャラクターは、ほぼ完成しているはずです。後は細やかな性格や癖などを考えれば完成です。〓


それではキャラクター作成の例を示してみましょう。
ゲームに参加するのは全部で4人として、一人はゲームマスター、残り三人がプレイヤーとなります。 三人のプレイヤーの場合に与えられる役作り点は、850点とします。まず最初に三人のプレイヤーは同士で話しあって、役作り点を分配しなければなりません。
 この時に各プレイヤーの役格も決定しておけば簡単です。
 それではとりあえず役作り点を 280点獲得して準主役のキャラクターを創ることにしましょう。
 まず役格ですが これは準主役ですので、役作り点を50点消費します。これで残りの役作り点は 230点です。続いて能力値を決定します。
能力値は、「心 」 「技 」 「 体」の三つですが、これをそれぞれ 7、7、6、とします。 これに必要な役作り点は、44点、44点、27点です。これらを差し引くと、残りの役作り点は 115点です。
 次は技能を習得します  まず剣術技能を技能レベル5で獲得します。剣術の基本能力値は「技 」ですから、剣術の技能実効値は12となります。
 これには役作り点を30点消費します。その他の技能も順次、以下のようにして習得していきます。

拳法3、柔術3、体さばき3、隠密2、運動2、知覚4、読み書き2、武家社会2、以上で役作り点の残りは35点になります。
 さて剣術の技能レベルが4以上ありますので流派を名乗ることができます。既製流派を習得してもよいのですが、我流を編むことにします。我流の特典の中から、相手の受け体さばきの難易度が2上がると、居合い抜きを習得することにします。これには役作り点を25点消費します。したがって役作り点の残りは10点になります。 これはすべて耐久点に使用するとして、耐久点は「体 」に2を加えて8になります。これで一応の完成です。


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Last-modified: 2017-05-27 (土) 13:14:55 (1858d)